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人工呼吸器のウィーニング!SBTと呼吸状態の評価

こんにちは。
小児科看護師の看護師のpi ✿︎(@shinkan0607) です。

  • ウィーニングの時に注意することって?
  • ウィーニング中は何を観察したらいいの?

 

このように思っている看護師さん、この考え方大事ですね!

今回は、ウィーニングの際の観察ポイントとSBTを用いた評価についてお伝えします!

ウィーニングの基本について理解していきましょう。

 

ウィーニングってなに?

ウィーニングとは、人工呼吸器の離脱の可能性が評価された後に、人工呼吸器のサポートを減少させ、自発呼吸へと移行させていく過程のことです。

 

最も優れたあウィーニングの方法としてSBT(自発呼吸トライアル)が用いられています。

 

ウィーニングを始めるまでに必要なこと

ウィーニングを開始するためには、呼吸不全となった基礎疾患の沈静化および改善が前提となります。

ウィーニングが開始できるかの判断には、以下の評価を行う必要があります。

  1. 酸素化
  2. 血行動態
  3. 意識レベル
  4. 電解質・酸塩基平衡

 

意識レベルの評価

人工呼吸器を使用している患者のうち、中枢神経からの呼吸ドライブ低下の最も多い原因は、鎮静による呼吸抑制です。

SBT を始める前に、鎮静薬を1日1回中断または鎮静の休息を行い、意識レベルを評価する必要があります。

これを行うことで、人工呼吸器期間、ICU滞在日数、入院期間が短縮されると言われています。

 

 電解質補正

低リン血症、低マグネシウム血症、低カルシウム血症は、呼吸筋力を低下させます。

これらの電解質を補充すると横隔膜収縮力が改善すると言われており、積極的に電解質以上は補正する必要があります。

 

SBT(自発呼吸トライアル)の開始条件

日本集中治療医学会で推奨するSBTの開始条件は、以下の通りです。

1~5をすべてクリアした場合「SBT実施可能」

  1. 酸素化が十分である
    FIO2≦0.5かつPEEP≦8cmH2Oのもとで SpO2>90%
  2. 血行動態が安定している
    □ 急性の心筋虚血、重篤な不整脈がない
    □ 心拍数≦140bpm
    □ 昇圧薬の使用について少量は許容する

    (DOA≦5μg/kg/min DOB≦5μg/kg/min NAD≦0.05μg/kg/min)

  3. 十分な吸気努力がある
    1回換気量>5ml/kg
    □ 分時換気量<15L/
    □ Rapid shallow breathing index (1分間の呼吸回数/1回換気量L)<105/min/L
    □ 呼吸性アシドーシスがない(pH>7.25)
  4. 異常呼吸パターンを認めない
    □ 呼吸補助筋の過剰な使用がない
    □ シーソー呼吸(奇異性呼吸)がない
  5. 全身状態が安定している
    □ 発熱がない
    □ 重篤な電解質異常がない
    □ 重篤な貧血を認めない
    □ 重篤な体液過剰を認めない

日本集中治療医学会:人工呼吸器離脱プロトコル

 

ウィーニングの開始

ウィーニングの開始条件に達したら、FiO2≦0.4でPEEP:5cmH2O+PS:5~7cmH2Oに設定し、SBTを開始します。

SBTは、30~120分間実施して評価します。

 

SBTの進め方

  1. 人工呼吸中と同じ酸素濃度とする(FiO2≦0.4)
  2. 設定:PEEP:5cmH2O+PS:5~7cmH2O
  3. まずは5分間観察する
    ここで頻呼吸や努力呼吸など変化が見られることが多い
  4. この期間はベッドサイドで患者の呼吸状態を頻繁に観察し、問題があればSBTの実施を中止する
  5. 問題がなければ本試験に移行する
    30~120分間観察する
  6. SBT成功基準を満たせば合格

ウィーニング中の患者の観察ポイント

ウィーニング中は、患者のバイタルサインや循環動態(呼吸回数、SpO2、血圧、心拍数、心電図)、意識状態、呼吸負荷の有無(努力呼吸になっていないか)を観察します。

 

バイタルサインのチェックポイント

観察項目

呼吸回数の上昇 SpO2の低下 血圧の上昇・低下 心拍数の上昇・低下 不整脈の有無
不穏や不安状態がないか 末梢の冷感 冷汗の出現がないか

SBTが失敗する患者は、SBT開始後30分間に呼吸回数・心拍数・血圧の上昇と動脈血酸素飽和度が低下すると言われています。

SBT開始後30分間は、特にバイタルサインの変化に注意し、観察しましょう。

 

呼吸負荷の有無のチェックポイント

観察項目

異常な呼吸パターン(頻呼吸、多呼吸、徐呼吸、少呼吸)が生じていないか
異常呼吸(陥没呼吸、シーソー呼吸、鼻翼呼吸)が生じていないか

努力呼吸が継続すると胸鎖乳突筋などの呼吸補助筋は、高度に緊張します。

 

ウィーニングの中止

ウィーニングを進めるにあたり、SBT中に患者のバイタルサインの変化や意識状態の変化、循環不全、呼吸負荷の出現があった場合はウィーニングを中断する必要があります。

 

集中治療医学会では、SBTの成功基準を以下の通りに述べています。

STB成功基準

  • 呼吸数<30回/分
  • 開始前と比べて明らかな低下がない(たとえばSpO2≧94%、PaO2≧70mmHg)
  • 心拍数<140bpm、新たな不整脈や心筋虚血の徴候を認めない
  • 過度の血圧上昇を認めない

以下の呼吸促迫の徴候を認めない(SBT前の状態と比較する) 

  •  呼吸補助筋の過剰な使用がない
  • シーソー呼吸(奇異性呼吸)
  •  冷汗 
  • 重度の呼吸困難感、不安感、不穏状態がない

 

これらの基準に達しない場合は、SBTを中断します。

SBTに失敗した場合は、SBT施行前の呼吸器設定に戻し、翌日以降に再びSBT実施可能か評価を行います。

 

ウィーニングが進まない場合

SBTの成功率は、およそ8割程度であると言われています。

SBTに失敗する理由としては、以下のようなことが考えられます。

呼吸負荷

・呼吸仕事量の増加:不適切な人工呼吸器設定
・コンプライアンスの低下
・気道、気管支の収縮
・低後負荷の増大

心負荷

・既存の心機能障害
・心機能障害につながる心仕事量の増加

神経筋

・呼吸中枢ドライブの低下:代謝性アルカローシス、人工呼吸中の鎮静薬
・換気指令伝達の障害:呼吸器系の神経筋の障害
・周辺機能障害:神経筋疾患、CIPNM

神経心理学

せん妄、不安、うつ病

代謝

代謝障害、コルチコステロイド、高血糖

栄養

肥満、低栄養、VIDD

 

人工呼吸器と患者との非同調は、人工呼吸器期間の延長に関係すると言われています。

人工呼吸器の不適切な設定の見直しや離脱過程をサポートする換気モードへの変更を検討します。

人工呼吸器を18~69時間使用しただけでも横隔膜に筋萎縮が起こることからも、筋力低下予防のために早期にリハビリテーションを導入する必要があります。

 

ウィーニングから抜管

抜管の基準
  • 咳嗽が十分にある
  • 分泌物が多量でない
  • 舌根の沈下がない

自分で気道開通を確保するためには、分泌物を排出する反射と筋力が必要となります。

分泌物の量は、吸引頻度が2時間以上であることが望ましいです。

意識が鮮明でない場合は、嚥下や反射機能が低下し気道閉塞や誤嚥のリスクが高まるため注意が必要です。

 

再挿管のリスク

抜管前に再挿管のリスクがないことを完全に予測することは不可能であるため、抜管後は再挿管に対する準備をしておくことも大切です。

抜管の失敗の定義は、「抜管後24〜72時間までに再挿管を必要とする患者」です。

抜管の失敗は、2~25%ほど発生し、抜管失敗による再挿管は肺炎合併症率や死亡率の上昇と関連します。

 

まとめ

ウィーニングは、抜管する上でとても大切な評価になります。

  • ウィーニング前の評価も大切
  • SBT開始後、30分はバイタルサインに注意する
  • ウィーニングの中止もあり得る
  • 抜管後は再挿管に注意

ウィーニングを行う際のポイントを理解し、取り組んでいきましょう!

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ぴっぴ ✿︎

現役看護師 / 小児科 / 小児集中治療 / PALS資格所有 看護師として5年以上の経験を積んだ中堅看護師です。 お父さん、お母さんをそっとサポートできるような記事を書いています。 看護師向けに必要な知識も発信中。

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