集中治療

呼吸障害の種類 “子どもへのケア”

小児の心停止の最大の原因は、進行性の呼吸不全です。

しかし、小児は呼吸困難を他者に伝えることが困難ですよね。

そのため、呼吸不全に至る前に子どもの一番近くにいる看護師がその徴候を発見し、早期に介入をすることが大切です。

呼吸障害の種類について理解していきましょう。

呼吸障害の重症度

小児の呼吸の特徴については以前、こちらでお話ししましたが成人と比べて予備力が乏しいことから急速に呼吸困難をきたしやすいです。

呼吸障害の重症度の判定は、適切な介入を選択する際に役に立ちます。

呼吸窮迫は、呼吸数の異常 (頻呼吸)または呼吸努力の異常を特徴とする状態です。

この場合の呼吸努力は、増加することもあれば (鼻翼呼吸・陥没呼吸・呼吸補助筋の使用など)、不十分になること (低換気・徐呼吸など)もあります。

気道音の変化やそれに伴う皮膚色および意識状態の変化がないかを確認し、呼吸窮迫の有無を判断します。

呼吸窮迫は、軽度のものから重度のものまで様々です。

例えば、軽度の頻呼吸および気道音の変化を伴う呼吸努力の軽微な増大がみられる小児は、軽度の呼吸窮迫と言えます。

呼吸努力が不十分な場合に関しては、典型的な呼吸窮迫の症状を呈さないまま、呼吸不全となることもあるため注意が必要です。

ココがポイント

呼吸不全は、酸素化または換気、あるいはその両方が不十分な状態です。

呼吸不全は、呼吸窮迫の末期であることが多いです。

中枢神経による呼吸調整に異常があったり、筋脱力がある小児の場合は、呼吸不全が生じても呼吸努力がほとんどないまたは全く見られない場合があります。

このような状況では、臨床所見に基づいて呼吸不全を判断する必要があります。

この場合、SpO2血液ガス分析などの客観的測定値を用いて判断を行います。

呼吸障害のタイプ

呼吸窮迫または呼吸不全は、以下に示すタイプに分類することができます。

小児の呼吸窮迫または呼吸不全の原因は、1つであるとは限りません。

例えば、頭部外傷により呼吸調節に障害をきたし

その後、肺炎(肺組織病変)を発症する場合などがあるよ!

上気道閉塞

上気道の開塞とは、鼻腔・咽頭または喉頭の閉塞のことです。

上気道閉塞の一般的な原因は、異物誤嚥(食物や小さな異物の誤嚥など)及び気動の膨張です。

上気道閉塞の特徴は、吸気時に見られることが最も多いです。

下気道閉塞

下気道の閉塞とは、下部気管、気管支または細気管支の閉塞です。

下気道閉塞の一般的な原因は、喘息および細気管支炎です。

下気道閉塞の徴候は、呼気時に見られることが多いです。

肺実質病変

肺実質病変とは、一般にガス交換が行われる部位で肺に影響を及ぼすさまざまな臨床状態を指します。

肺実質病変は、肺胞及び末梢気道の虚脱または肺胞の液体充満を特徴とする場合が多いです。

通常は、酸素化の異常に繋がり、重症の場合は換気の異常に繋がります。

一般的に肺コンプライアンスは低下し、胸部X線検査では肺の浸潤を認めます。

肺実質病変の多くには原因があります。例えば、細菌性・ウイルス性などによる肺炎や肺水腫により生じる。そのほかにも肺挫傷やアレルギー反応なども挙げられます。

呼吸調節障害

呼吸調整の障害は、不十分な呼吸数、不十分な呼吸努力またはその両方の徴候をもたらす異常な呼吸パターンのことです。

原因の多くは、神経学的障害(けいれん発作や中枢神経系の感染症、頭部外傷、脳腫瘍、水頭症など)です。

呼吸調節の障害は、通常は神経機能を障害する状態と関連しているのでこのような小児は意識レベルが低下していることが多いです。

呼吸障害のある子どもへのケア

小児は、機能的残気量が少なく酸素の貯蔵が少ない反面、エネルギー消費量や酸素消費量が成人の2~3倍と多く、容易に酸素の需要と供給のアンバランスをきたします。

特に酸素消費量は、睡眠時には-5%と減少するのに対し、軽度の興奮で+20%、かなり動く時で+40%、大暴れするときで+60~+80%と著しく増加します。

呼吸仕事量を軽減し、呼吸不全への移行を回避するために安静保持により酸素消費量を減らす必要があります。

また小児の細い気管支では、興奮や啼泣などによる気流の乱流によっても気道抵抗が上昇し、呼吸仕事量が増加するため安静保持が必要となります。

身体的苦痛のみでなく、精神的苦痛、社会的苦痛をアセスメントして、適切な鎮痛・鎮静管理が必要です。

それと同時に、安楽な体位、ポジショニング、環境調整、家族との分離の回避など非薬物的介入による安楽を促進させることも重要となります。

まとめ

小児の呼吸の悪化は急激です。臨床でも予備力がより少ない患者の呼吸悪化からの気管挿管への介入などは多いです。

子どもの呼吸の変化にいち早く気づき介入するためには、呼吸障害の重症度やタイプを理解することが大切です。

基本を理解した上で、臨床での変化に対応できるようになっていきましょう。

 

  • この記事を書いた人
アバター

pi ✿︎

■ 看護師 / 小児集中治療 ■ 小児科ナース / PALS 資格所有 ■ 気付けば中堅クラスになっていました ■ 子どもを看るうえで必要な知識を発信します

-集中治療

© 2020 PI+ICU NURSE BOOK Powered by AFFINGER5