臍帯血バンク -Cold blood bank- 公的さい帯血バンクとプライベートバンク

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【臍帯血バンク -Cold blood bank-】 公的さい帯血バンクとプライベートバンク

こんにちは。
小児集中治療室に勤務する看護師のpi ✿︎(@shinkan0607) です。
子どもを看る上での知識を発信しております。

臍帯血バンクのこと知っていますか?

今回は、出産時に関係する「臍帯血バンク」についてお話しします。

悩まれている方もしっかりとした知識をもとに検討して下さい✿︎

 

「臍帯血」とは?

臍帯(へその緒)と胎盤に含まれている血液のことで、出産時に採取します。

そのため、タイミングとしては1度だけになります。

臍帯血には、造血幹細胞(赤血球や白血球などの血液を造る機能)が多量に含まれています。

 

臍帯血で何ができるの?

臍帯血から取れる「造血幹細胞」は、白血病や再生不良性貧血などの血液疾患の治療として有効と言われています。

造血幹細胞は人工的に造ることができません。

そのため白血病で正常に血液を造ることができなくなった患者さんは、健康な人から造血幹細胞を分けてもらう必要があります。

臍帯血を分けてもらうことで、患者さんは血液を造る力を回復させることができます。

この造血幹細胞を患者に移植することを「造血幹細胞移植」と言います。

 

臍帯血バンクとは?

臍帯血バンクとは、白血病などの治療のために移植に用いられる臍帯血を供給する事業です。

臍帯血の採取、調整、保存を行い、患者さんが移植を必要とした場合には、医療機関へ臍帯血を引き渡す業務を行なっております。

公的さい帯血バンク

臍帯血供給事業として厚生労働大臣の許可を受けた業者は全国に6カ所あります。

こちらには、約10,000本の臍帯血が保存されています。

ココがポイント

  • 北海道さい帯血バンク
  • 関東甲信越さい帯血バンク
  • 近畿さい帯血バンク
  • 九州さい帯血バンク
  • 中部さい帯血バンク
  • 兵庫さい帯血バンク

 

公的臍帯血バンクは、造血幹細胞移植法の改正で、安心の体制が整っています。

公的臍帯血バンクで保管されている臍帯血は、連携している産科医療機関でのみ採取することになっています。

→ 臍帯血を寄付できる産科医療機関について

公的さい帯血バンクに臍帯血を提供することは、白血病などの疾患の子どもをサポートすることになります。

 

民間さい帯血バンク(臍帯血プライベートバンク)

民間臍帯血バンクは、本人や家族の病気の治療のために、現在はまだ医療技術としては確立されていない再生医療などに将来利用する場合に備えて、臍帯血を保存する事業者です。

委託契約を結び、保管費用(20〜30万)を支払うことで保管することができます。

一部の臍帯血プライベートバンクでは、臨床研究として預けた臍帯血を用いた治療が行われています。

一般の保険診療は行われていません。 

ココがポイント

要するに白血病への治療としてプライベートバンクの臍帯血は利用できません。
仮に使用することができたとしても、現段階では一般の保険診療として使用できないため、自費負担になります。(2020年8月)

 

公的さい帯血バンクとプライベートバンクの違い

臍帯血の保管先は、公的さい帯血バンクとプライベートバンクがあります。

これらの選択は、ご家族自身が行うことになりますが公的臍帯血バンクを採取することができる医療機関は限られています。

 

公的さい帯血バンク 民間さい帯血バンク

費用

無料(寄付)

有料(保管委託契約)

対象疾患

白血病などの血液疾患

再生医療・細胞治療

対象者

第3者

子ども本人や同胞

保険適応

適応

適応していない

適応 臍帯血移植

臍帯血移植は不可能

 

プライベートバンクは、厚生労働大臣の許可を得た事業者ではないため、臍帯血の調整・保存などは国が定める基準と同様に行われているとは限りません。 

 

公的さい帯血バンクで保管されている臍帯血は、お母さん達から無償で提供していただき、白血病などの病気で移植を必要とする患者さんのために使われます。

一方でプライベートバンクでは、本人や家族が将来何らかの治療に使うことができるようになる可能性を想定して、臍帯血の保存が行われています。

そのため保管を依頼する場合には、保管のための費用を支払う必要があります。

プライベートバンクの注意点

冷凍保存した臍帯血を将来白血病などの治療のために移植するには、十分な細胞数が必要になります。

( 採取の方法が確実でないと十分な細胞数は確保できません )

また、臍帯血は厳重な管理下で無菌的に採取され、徹底した衛生管理下で保管されていなければなりません。

 

プライベートバンクの場合、国の認める管理ではないため臍帯血がどのように採取され、保管されているかわかりません。

また移植を受ける必要のある子ども(患者)は、その時は免疫力が低下しています。

免疫力が低下している子どもの細菌感染は致死的なものです。

 

品質管理が保証されていない臍帯血を移植に使うことはありません。

 

つまりプライベートバンクで保管された臍帯血は、現状として実際に移植医療に使われることはありません。

 

将来、子どもが白血病になった時のためにプライベートバンクに保管するべき?

現在全国6カ所にある公的さい帯血バンクには、約1万本の臍帯血が保管されています。

白血病や再生不良性貧血など厚生労働省令で定められた特定の病気に罹患し、臍帯血移植が必要となった場合には、公的さい帯血バンクから臍帯血の提供を受けることが可能です。

臍帯血移植においては、ドナーと患者のHLA(白血球の型)は6抗原中4抗原以上が一致した方が良いといわれています。

実際には、公的さい帯血バンクで保存している臍帯血の中から、90%以上の方が4抗原以上適合する臍帯血が見つかるとされています。

そのため将来子どもが白血病等の疾患になる可能性を心配されて、プライベートバンクにご自身で臍帯血を保存するかは慎重に検討する必要があります。

まとめ

臍帯血バンクの違いについて説明しました。

チェックリスト

  • 臍帯血は「造血幹細胞移植」に有効である
  • 臍帯血バンクは公的さい帯血バンクとプライベートバンクがある
  • 公的さい帯血バンクでは保管した臍帯血は第3者のために使用される
  • プライベートバンクからの保険診療は適用されていない
  • プライベートバンクで保管した臍帯血は感染面から移植医療には使用できない

再生医療は今後発展していく可能性は十分にあります。

しかし、プライベートバンクで保管している臍帯血は、移植医療には使用されることはありません。(現段階)

 

公的さい帯血バンクとプライベートバンクの違いを理解した上で、バースプランで悩まれている方は検討して下さい。

プライベートバンクを利用する際には、しっかりと契約内容を確認し、納得した上で利用するようにしましょう。

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■ 看護師 / 小児集中治療 ■ 小児科ナース / PALS 資格所有 ■ 気付けば中堅クラスになっていました ■ 子どもを看るうえで必要な知識を発信します

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