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インフルエンザワクチンを「打つべき理由」と「打つ時期」

こんにちは。
小児集中治療室に勤務する看護師のpi ✿︎(@shinkan0607) です。
子どもを看る上での知識を発信しております。

前回は、インフルエンザと脳症についてお伝えしました。

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2020年は、新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の流行もあり、発熱症状のある場合、医療機関がインフルエンザとコロナの判断が困難になることを懸念されています。

「インフルエンザワクチンはあまり効かないらしい」

という噂から摂取することを迷われている方もいると思います。

しかし、今年度は出来る限り予防接種することをおすすします。



インフルエンザのワクチン接種は、なぜ必要?

インフルエンザの予防接種をした人と、してない人におけるインフルエンザの感染率は、予防接種をした人の感染率の方が明らかに低いことがわかっています。

予防接種をしていてインフルエンザに感染してしまったとしても、生命にかかわるような重篤な合併症(インフルエンザ脳炎、インフルエンザ肺炎など)は防ぐことができます。

以上のことから、とくに生後6か月~就学前、高齢者(65歳以上)の感染に対する免疫力の比較的低い年齢層の方にはインフルエンザの予防接種をすることをおすすめします。

ワクチン接種回数

生後6か月以上で13歳未満は2回ずつ接種します。

13歳以上は通常1回接種ですが、2回接種することもできます。

インフルエンザは脳炎や肺炎をおこしやすい、普通のかぜとはまったく違う重い感染症です。

小さな子どもの場合、1回の接種だけでは十分な免疫ができません。

重症化を予防するのに必要な免疫ができるのは、2回目を接種して2週間ほどたったころからです。

毎年、流行するウイルスの型が違い、それに合わせてワクチンはつくられています。

前のシーズンに接種していても予防効果は期待できませんので、原則として毎年、2回ずつ接種するようにしましょう。

 

インフルエンザ予防接種を受ける時期

通常、年末年始のインフルエンザ流行時期の発症を予防すると考えます。

さらに詳しく

6か月~13歳未満の方(2回接種する方)
1回目を10/1~11/15頃、2回目を11/1~12/15頃に接種

13歳以上の方(1回接種の方)
10/1~12/1頃に接種

上記の期間でワクチン接種することを推奨します。

また、受験生や渡航予定者は、その日程の3~4週間前までに接種するとよいでしょう。

 

インフルエンザワクチンの効果期間

インフルエンザワクチンを3週間隔で2回接種した場合、接種1か月後に被接種者の77%が有効予防水準に達すると言われています。

接種後3か月で有効抗体水準が78.8%であるが、5か月では50.8%と減少します。

効果の持続は、流行ウイルスとワクチンに含まれているウイルスの抗原型が一致した時において3か月続くことが明らかになっています。

インフルエンザの副反応

注射した部位が赤く腫れて、さわると熱くなったり、かゆくなったりした場合は保冷剤や氷で、しっかりと冷やして応急処置をしてください。

また、38.0以上の熱が出た場合は、首の後ろ、わきの下、股のつけねを保冷剤や氷で、しっかりと冷やして応急処置をしてください。

その他、軽い咳や鼻水、倦怠感(だるさ)、じんましんなどの副反応が出る事があります。

どの症状についても12時間以上おさまらない場合は、病院へ相談しましょう。

 

 ワクチンの効果と安全性

予防効果は、ほかのワクチンと比べてそれほど高くなく、子どもの場合、A型では予防効果があるのは30~50%程度で、B型や1歳未満ではさらに効果が低くなります。

しかし、2011年シーズンからはワクチンの接種量が変更になりました。

ココがポイント

6か月以上3歳未満が大人の半量の0.25ml
3歳以上が大人と同じ0.5ml

上記のようになったため、以前よりも効果が期待できます。

インフルエンザワクチンは発病予防だけでなく、重症化予防として接種することをおすすめします。

ワクチン接種によって発病や重症化が予防できるケースが多く、結果として脳炎の予防にもなります。

まれには、流行しているウイルスの株とワクチンの株が違うなどで、接種を受けていても脳炎の発生を防ぎきれないこともあります。

また、妊娠中に母親が受けると生まれた赤ちゃんにも予防効果があります。



よくある質問に答えます!

6ヶ月を超えるお子さんがいるママたちは、定期の予防接種との関連なども気になりますよね。

アレルギーについてやご家族の接種方法についてお答えします!

 

他のワクチンとインフルエンザワクチンの同時接種はできますか?

両親の希望がある場合は、同時接種は原則可能です。

接種間隔に影響があるため、インフルエンザ2回目に生ワクチンを同時接種することをおすすめいたします。

※生ワクチン…MR、おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)、みずぼうそう(水痘)、ロタ、BCG

 

インフルエンザワクチン予防接種の1回目と2回目の間に他の種類の予防接種はできますか?

接種可能です。かかりつけ医に相談しましょう。

 

2020年のインフルエンザワクチンは去年と違いますか?

2020年のワクチン製造株は、A型株(広東-茂南H1N1、香港H3N2)、B型株(プーケット、ビクトリア)の4価ワクチンとなります。

 

妊婦でもインフルエンザワクチンの接種はできますか?

かかりつけの産婦人科医と相談の上、接種しないリスクが接種するリスクを上回っているようであれば、ご本人の希望にて接種することができます。

 

卵アレルギーがあってもインフルエンザ予防接種できますか?

軽度の卵アレルギーであれば基本的に接種可能です。

インフルエンザワクチンには鶏卵由来成分が含まれていますので、今までに卵によるアレルギー反応が起きた事のある方は、事前にかかりつけ医と接種の可否を相談する必要があります。



1歳未満の赤ちゃんは、インフルエンザの予防接種をうけても効果がないと聞きましたが本当ですか?

一般的に母乳を与えている赤ちゃんの場合、6か月頃まではある程度の免疫を持っています。

しかし、それ以降はだんだん免疫がおちてきてしまいます。

そのためウイルス性感染症(インフルエンザ、ノロ、ロタ、RSなど)に罹りやすくなってしまいます。

特に保育園などの集団生活をしている赤ちゃんにはその傾向が強いです。

また、同胞がいる場合も同様になります。

したがって、インフルエンザ感染の予防や合併症(インフルエンザ脳炎、脳症など)のリスクを回避するために、生後6か月~1歳未満の赤ちゃんへのインフルエンザワクチン接種は効果があると考えられています。

またそのご家族も同様になります。

 

大人でも2回接種した方がいいの?

接種を受ける方の生活スタイルに合わせて、ご希望の方には2回接種いたします。

接種間隔は、通常1~4週間隔ですが、免疫効果を考慮すると4週間おくことが望ましいです。

2回接種する例

  • 仕事をしながら子育てをしている方
  • 海外に行く予定がある方
  • 受験をひかえている方
  • かぜをひくと喘息発作を起こすことがある方
  • 体力に自信がない方
  • 持病(高血圧、糖尿病、高脂血症、心臓疾患、がん等)のある方

 

インフルエンザワクチンの添加物にチメロサール(水銀化合物)は含まれてますか?

2020年のインフルエンザワクチンは全てのメーカーのものにチメロサールを含みます。

まとめ

インフルエンザのワクチンは、効果がないと思われている方もいます。

しかし、脳症を起こさない、重症化しないためにはワクチン接種が望ましいです。

さらに2020年は、新型コロナウイルスとの鑑別も難しくなってきます。

インフルエンザの予防接種の予約時期や予約方法については、早めにかかりつけ医に聞いておく事をおすすめします!

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■ 看護師 / 小児集中治療 ■ 小児科ナース / PALS 資格所有 ■ 気付けば中堅クラスになっていました ■ 子どもを看るうえで必要な知識を発信します

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